DISCREET CHAIR
椅子ブームなのでしょうか、最近はテレビCMで背景にデザイナー椅子が置かれているのを数多くみかけます。また北欧家具やデザイナー家具をとりあげた雑誌の発行も目立ちます。以前よりは、みなさん椅子に注目し、興味も増してきている様です。車や洋服、靴などは、様々のブランドを一巡りしてご自分の指針も出来上がり,選択眼にもある程度、自信ができました。では椅子についてはどうでしょうか。車や服、靴を選ぶ時どんな事を考慮して選ぶか思いえがいて見ると解りやすいとおもいます。案外基本的な事を忘れているかもしれません。
オールマイティな椅子というのは、あればいいのですが、ないのが実情です。いくらデザインが気に入っても休憩用の椅子で食事というのは具合が悪い、自分がどんなタイプの椅子を探しているのか、気に入った椅子があったとしたら、その椅子は本来何の為に作られたのか再確認してみましょう。
■ダイニング、軽作業用の椅子を例としてお話します。
■まず日本では室内で靴を履かない事が前提となりますから靴を脱いだ時の事を想定して選びましょう。
■椅子の座面の高さ《A》はひざから踵までの長さより少し短め、踵が浮かない高さに
■座面の奥行き《B》は深すぎたり、浅すぎない様に!簡単な確認方法として、
ひざの裏側の部分《C》に自分のこぶしが一つ入る位の余裕があるか調べてみましょう。
■人は常に同じ姿勢を保っている訳ではありません。後を振り向いたり、体を動かして色々な姿勢で椅子に座り、違和感がないか確認しましょう。
■これは重要な事なのですが座った直後の感覚で椅子を選ぶのはいけません。最低限十分から二十分位は座ってみる、お店で選ぶなら勇気を出して何回も通い、座り心地を十分に確認しましょう。
■椅子は人が座って居ない時でもなんとなく気になってしまう、ちょっと特別な家具です。人との相性もあります。基本的な性能も大切ですが、「なぜかこの椅子が好き」といった、あなたの感性、琴線に触れるお気に入りを見つける事も大切です。
よく「理想的なテーブルの高さはどの位?」と聞かれる事がありますが、いつも答えに窮します。テーブルと椅子の関係が適切な時、はじめて心地良い空間になります。みなさんが陥りやすい間違いは、まず部屋のサイズを決め、その部屋に合うテーブルを選び、そしてテーブルに合う椅子を決め、それらを使うあなたが一番最後に取り残される、そんなケースです。
Yチェアのアームの先端の高さはちょうど70センチ、テーブルトップの高さと同じ設定になっています。アームに手を掛けてそのまま前方のテーブルに手を移動させた時何の違和感もない設計なのです。
椅子のアームは何でもかんでもテーブルの下に入らなければいけないといった固定概念は捨てたほうがいいかもしれませんね。日本の住宅事情では難しいのかもしれませんがサイズを変えられない人間を基準モジュールにして物のサイズ決めて行くとそんな設計になる、しごく真っ当な帰結かもしれません。
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ディスクリートチェア 森下 真