DISCREET CHAIR



木材を曲げる方法には、三つの方法があります。
1 スチームによる曲げ、
伝統的な手法で木を蒸し上げ 、型に入れて曲げる方法です。海外ではトーネットの椅子が有名。国内では飛騨地方の椅子メーカーがこの技術ではよく知られています。
2 積層による曲げ、
木材を薄くスライスして糊付けしたものを何枚か積み重ね型に入れプレスする方法。
3 コンプレス法曲げ木、
これは最近使われ始めた方法で木を湿度のある状態で暖め高圧プレスし、木を柔らかくする方法。スチーム法と似ていますが木の細胞に直接影響を与え、従来では考えられない湾曲した形にする事が可能です。
1や3の方法は個人の工房では設備的に無理があるので、うちでは2の積層による曲げで湾曲した形を作り出しています。また、スチームによる曲げと比べると曲げの戻りや曲げてからの暴れもなく精度を確保し易いのが利点です。
今回は椅子の背の部品で、高さ方向に200ミリを超える広さが必要、しかし実際にこの幅の良材を多数入手するのは困難。そこで、まず105ミリ幅の板を7ミリ厚に挽き、これを2枚、本を開く様に開いて接ぎ合わせました。一枚目の写真がそれです。木目が左右対称になっているのがお解かりでしようか?
2枚目の写真は接ぎ合せた板を所定の厚みに仕上げたもの今回は4枚積層で12ミリ厚の背を作るので一枚は3ミリです。
最後の写真は糊付けした板を型に入れてプレスした所、大きな工場ではここで高周波を流し急速に硬化させますが当方では当然無理なので最低でも24時間放置です。一日一枚。なんか標語みたいですが生産性低いですね。写真の型ですが、下の雄の型は上の雌型より板の厚み分、曲率が大きくなっています。
何故わざわざ面倒な事をするのかと言えば、御覧の様に薄く、おおきな曲率の部品を作る場合には、たとえ、大きな木のブロックを削り出して作ったとしても木目が切れ、強度が確保できないからです。
作品や木工教室、工房見学は下記までお問い合わせください。
〒437-0121 静岡県 袋井市 宇刈 1084-11 phone0538-49-1611 http://www.d-chair.com/
ディスクリートチェア 森下 真